医学部を卒業してから、多くの医師がそうであるように、私も大学病院、地域中核病院に勤務しておりました。その中で現在の基礎となる知識、技術を学ぶことができました。
そして多くの病気を診て、患者さんに触れることで、医師として学ぶべきは患者さんからではないかと思うようになり総合内科専門医を目指しました。大病院には大病院の役割があります。
しかし、そういった病院で診療する中で、疑問に思うことがありました。
- ・患者さんの話を聞かない、あるいは聞く時間がない
- ・病態が変化したとき受診しにくい
- ・専門化しすぎて総合的に診察できない医師が多い
- ・自分が専門とする、主たる病気しか診ない
- ・自分の診療範囲を超えているのに他の医師に相談しない
- ・医師が短期間で変わるため患者さんの経過が把握できない
など、大病院では医師の専門性を特化するあまり、様々な弊害が出ておりました。大きい病院に患者さんが集中するため仕方ないところもあるのですが、私はそれが嫌で大病院での医療を辞めることにしました。
私の目指す医療は、専門分野は持ちながらも総合的に疾患を捉え、「 病気を診る 」のではなく「 人を診る 」医療です。
患者さんが調子が悪いときにいつでも受診でき、訴えに耳を傾けきめ細かく診療したかったのです。そして、そういった診療は自分の診療所でしかできないと考え、今から約30年前に開業をしました。
私は専門医資格として、アレルギー専門医、総合内科専門医を持っております。
これらの知識経験を駆使し、喘息、長引く咳に関しては、専門病院クラスの医療を提供することができます。
また内科全般につきましては、幅広い知識が必要となります。その為、診療をする上で重視しているのは、まず生活習慣病や日常的な疾患を的確に診断、治療し、また専門性や特殊性の高い疾患であった場合は、必要に応じて連携医療機関へご紹介することで、総合内科としての診療スタイルを心掛けております。
また私のこだわりではありますが、昨今の医療は患者さんの症状に対し薬剤を投与することが多く、どうしても薬が過剰になる傾向にあります。とりあえず症状に対し薬を出しておいて、原因や必要性を吟味しないケースも少なくありません。
ただ薬が必ずしも身体に悪い訳ではありませんが、不要な薬を投与する事は健康を害する結果になってしまうことを、「 ポリファーマシー 」という用語でそのリスクが話題になるようになってきました。
私は必要な薬はきちんと使用しますが、必要のない薬を投与したり一時的に使用する薬をいつまでも続けることを避けるようにしています。こうした診療に対するスタンスは、全て患者さんの健康の為を考えてのことです。ご理解いただけますと幸いに存じます。