咳喘息の診断 に大きな大前提は 胸部レントゲンに 異常がないこと です。
咳喘息 と言われて 胸部レントゲンを 撮ったら気胸だった。 肺がんだった。 肺結核だった。 肺炎だった。
心不全だった など いろいろ あり得ます。
ここからは それに異常がないことを 大前提に話を 勧めます。
胸部レントゲンに 異常がなく 最も問題となるのは 中等度以上の 気管支喘息です。
受診時に 咳しか訴えていなくても 良く聞くと 労作時(階段や早歩きなど)の息切れや 明け方に 息苦しくなるといった症状が あることがあります。
こちらから 細かく聞かないと 患者さんは 話してくれません。 ここまできちんと 聞いて本当に 咳しかないことを 確認しないと 中等度の継続治療が 必要な気管支喘息を 見落としてしまうことに なります。
慢性咳そうの研究でも この辺りが あやふやでここまできちんと 問診し気管支喘息を除外すれば 咳喘息の頻度が減り、 していないと 咳喘息の頻度が 増える ことに なります。
本当に咳しか症状がなくても 呼吸機能が閉塞性喚起障害を きたしていることもあり 注意が必要です。
これは定義からする と咳喘息となるのですが 中等症以上の気管支喘息と なんら変わりません。
こんな例が ありました。某大学、某基幹病院を 受診し咳が止まらないと いうことで当院を 受診しました。
この方は喘息の治療も していました。当院で呼吸機能検査を したらかなり強い 閉塞性喚起障害を きたしていました。
しかし息切れなどの 症状はありません でした。
喘息の治療が 不十分だったため本人にきちんと 続けることをお話しし 経口ステロイドを使用し、 吸入ステロイドを最大量用い、 気管支拡張剤を併用し、 改善しました。
診断上は咳喘息となりますが、某大学、某基幹病院では気管支拡張薬、吸入ステロイドが無効だったので咳喘息とすら考えられなかったのです。そして咳しか訴えがないので重症な気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患を念頭におかず呼吸機能検査をしていなかったのです。
これは咳喘息の 診断ではあるが 重症の気管支喘息でも ある例です。
治療した結果階段が 以前より楽に登れるようになり、 咳しかないと思っていたが 自分で気が付かない 呼吸困難があったこと がわかりました。
本当に 咳しかなく、息苦しさもないのに 早朝の呼吸機能が 下がっていることもあります。
気管支喘息は 受診時には呼吸機能が 正常なことが多く、早朝にのみ呼吸機能が低下すること が少なくありません。
ピークフロー測定器を 用いてといって簡単に呼吸機能を 測ることができます。簡単な機械を自宅に持ち帰ってもらいます。そうすると早朝のこの値が低くなり診断は咳喘息でも実際は中等度の気管支喘息であることがわかります。
検査で異常を見つけることもありますがやはり問診でわずかな呼吸困難を見つけることが最も大切で、ほとんどこれで診断できます。
私が一番重要と考えているのは日によって労作時(階段や早歩きなど)の息苦しさが異なるかどうか です。
同じくらいの負荷で いつも苦しくなる場合は 体力的な問題と考えますが 日によって異なる場合は中等度以上の気管支喘息の 可能性が高いです。駅の階段がつらい日があるというのは気管支喘息を疑う兆候です。
次回はその他の咳喘息と間違えられる疾患を少しずつ紹介します。