今日は 黄色ブドウ球菌食中毒 についてです。この細菌は環境のいたるところ、健康な人ののどや鼻の中などに高率で検出され、動物の皮膚、腸管、ホコリの中など身近にも存在しています。ニキビやおできなど可能性疾患の原因にもなります。この菌は食べ物の中で増殖するときにエンテロトキシンという毒素をつくり、この毒素を食品と一緒に食べることにより、人に中毒症状を起こします。菌自体は熱に弱いが、この毒素は100℃20分の加熱でも失活しません。つまり一度毒素ができてしまうと食べる直前に火を通しても意味がありません。人の手にはこの菌がいつでも付着しており、きちんと手を洗わず、おにぎり、すしを作ったり、食料品に触れると増殖して中毒症状を起こすのです。予防には手指などに切り傷や化膿巣のある人は、食品に直接触れたり、調理をしたりしないこと。調理前に手指の洗浄・消毒を十分に行い、そのあと、髪の毛や顔、周囲の物などに触れないこと。食品は10℃以下で保存し、菌が増えるのを防ぐこと。が大切です。調理の際、帽子、マスクを使用するのもいいと思います。