おはよう ございます。 山崎内科 医院 院長の 山崎です。 前回 の 河北健診クリニック の肺がん見落とし の「追加の 話、 肺がん検診 話です。
乳首を 腫瘤陰影と 誤認することは 時にあり、 医学生などは ほとんど最初は 腫瘍と 思って しまいます。 慣れてくると わかるので すが、 確かに 乳首が映る可能性がある場所に 腫瘍がある可能性は あるため、 鑑別に迷う時 があります。 その場合は 3か月後に もう一度 胸部レントゲンを 撮ることはありますが いきなり胸部CTを撮ることは あまりないです。 このような陰影に対し すべて胸部CTを 撮ってしまうと ものすごい 医療費がかかる ことに なります。 また放射線を 多く浴び、 1つの肺癌を 見つけるために 1つ以上の 癌を作ってしまう ことも考えられます。 健診、 検診 というものは 費用、 副作用、 効果を 考えて 施行するもの であり、 特に 症状がない人に 行うため、 病気を見つけるために 多大な費用が かからないことも 重要になります。 そのため 症状がある人に 対する検査に 比べて癌が 見つけられないことは ある程度あり得ることを 前提にしています。 例えば 便潜血 の有無で行う 大腸がん検診は 多くの癌を見つけるのに 有効ですが、 便潜血が 出ない 大腸がんも あるので、 それは 見つからないことに なります。 皆様、 がん健診では すべてみつかると 勘違いされていると 思います。
肺がん検診で 見落としとする場合 画像から 診断できたものを 見逃した場合のみ、真の見逃しと 考えます。検診を受けたのに肺がんになった場合も見逃しとして統計をとることもありますがこれは後から見て個の所見が肺がんとしなければいけなかったと医師が勉強するためのものと考えています。最初の2回はあきらかに見逃しではありません。今年の検診の写真がどうであったかがポイントと思いますが、おそらく肺癌を疑う所見ではなかったのだと思います。河北健診センターでは40名強の人に数年間の間に異常なしとした40名強の人に要精密検査と連絡しなおしたそうです。多くの医療費がかかることになります。またこのニュースを見た医師が不安で、また患者さんから要求されて胸部CT検査をオーダーする例が増えるかもしれません。私自身も検診で要精密検査と言われても胸部レントゲンを撮りなおして異常なしにしてきた患者さんに対し、今後は胸部CTをオーダーすることが増えそうです。